執拗に愛されて、愛して
「…疲れたんだけど。話なら早くして。俺も何か知らねぇけど疑われたままなの気持ち悪いし。マジで何。」

「…言いたくなかったけど、今日咲人と用事があって出掛けたの。」

「は?そんな事言ってなかったじゃん。何しに。」

「ほら、そうなるから言いたくなかったんだってば!」


 あんたの誕生日プレゼントを選びになんて言いたくない。
 せっかくサプライズで用意しているのに。

 こんな形で自分で台無しにしてしまうのは避けたい。
 でもこの状況でサプライズが…、とか言っている場合でもなく、思わず唸る。


「ま、いいや。で?」

「あの時間ならとっくに颯くんと集合して会っているはずなのに、あんたの隣に駅前で居たの、女の人だった。」


 雅に思い当たる節は無いのかあまりぱっと来ていない様子だった。

 顔を顰めてしばらく考えた後、すぐに何かを思いついた表情をしては溜息を吐いていた。


「あー、分かった。颯、あいつ待ち合わせに来たのがそもそも2時間後だったんだよ。」

「え?」

「大寝坊の末待たされて、駅前に行ったらバーの常連に会って絡まれた。見たのそれだったんじゃね?」


 そう言われてもそうかも、なんてならない。
 私に真実など分かっていないからだ。

 あまりはっきりしない事態に首を傾げていると雅が少しイラっとした表情で「これはたたき起こす権利あるな俺。」と言いながらスマホをタップして電話をかけていた。

 雅が耳に当てているスマホからうっすら男性の声が聞こえてくる。


「俺だけど。お前のせいで面倒な事になってるから弁明してくんね?」


 そう言いながら私の方をちらっと見て、先程の事情を話している。
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