執拗に愛されて、愛して
「同時に俺に似てる所見るとちょっとおかしいんだよな。顔は夏帆そっくりなのに、たまに俺みたいな事するし、言う。」

「マイペースなのとか完全に雅だけどね。私せっかちだし。」

「まあ自由だよな。てか、咲人はまた美乃ちゃんと学校行ったの?」

「そう。美乃ちゃん毎朝迎えに来てくれるのよね。咲人も何だかんだ学校嫌がっても美乃ちゃんの顔見るといってくれるから助かる~!」


 美乃(しの)ちゃんとは、ご近所さんに住む女の子で保育園の時から同じだ。咲人は人見知りな所あるけど美乃ちゃんには懐いていて、美乃ちゃんが咲人を引っ張ってくれる。

 幼馴染みと言うのだろうか、あの関係性が可愛くて仕方ない。


「将来的に結婚したりして~!可愛い!」

「美乃ちゃんが可哀想。あいつあのままだと厄介な幼馴染みになるだろうな。」

「え、どうしてよ?」

「美乃ちゃんに他の同級生が近付くと嫉妬して手掴んでんの見た事あるから?」

「か、可愛いけど…、流石に今だけでしょ。」

「どうかな。」


 雅とそんな話をしながら棚に飾ってある咲人と美乃ちゃんの写真を見る。咲人が将来どんな恋愛をするかも分からないけど、咲人も美乃ちゃんもどんな形であれ幸せになってくれていたら良いと思う。


「…あ、そろそろ行かなきゃ。行ってくるね。」

「あ、夏帆。ゴミの日じゃねぇの?今日。」

「そうだった…!それも持っていく!」


 相変わらずバタバタと慌ただしく玄関先に向かうといつも通り雅がお見送りしてくれる。
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