執拗に愛されて、愛して
「⋯でもあんたに任せるのは本当に嫌だし⋯。」

「人選べる立場かてめぇ。」


 そう言われればそうだけど、雅に縒り戻す?なんて言われているから余計に選びたくない。ここで受け入れてしまったら、それだけで済まない様な気もしてしまっている。

 このままお見合いのタイミングが来るのを待つか、雅の提案を受け入れてしまうか。どちらも選択するのに気が重い。


「泊まりで行くはめになるし、あんたにそんな時間ないでしょ?」

「俺はいいよ、良いホテルか旅館で一泊してく?」

「行くとしても、部屋は別々に決まっているでしょ。」


 相変わらずの考えに、溜息を吐く。この男と同じ部屋なんて襲ってください~と言っている様なもんだ。私はそんな馬鹿じゃない。


「夏帆ちゃんと雅が一緒に行くの不安だなあ。君、何としてでも手出しそう。」

「大丈夫大丈夫、間違いがあったとしても俺達付き合ってたからそういう事も経験済みだし。な?」

「馬鹿じゃないの、ぶん殴るわよ。」


 誰も思い出したくない話を堂々と口にする雅に呆れる。

 間違いがあったとしても、というか、間違いを起こす気でいるな。


「でも、元彼と縒り戻したってご両親納得してくれるの?」

「ああ、うちの両親雅の事気に入ってたからね。だから別れた時はガッカリされたくらい。」

「ああ、まだ多少まともだった雅⋯。」

「お前ら本当失礼ね。」


 玲くんの言葉に私はうんうんと首を縦に振り答えると、雅は苛ついた表情で煙草を咥え火を点ける。
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