執拗に愛されて、愛して
 ずっと考えていても問題は解決しないし、どうして気が変わったのかはわからないけれど雅が提案してくれたわけだし、私の生活の平穏のために乗るしかないのかもしれない。

 雅の顔を見ると、雅もこちらを見て目が合う。雅は私の顔を見るなり小首をかしげて、表情だけでどうするかを聞いてきているのがわかる。


「わかった。お願いする。早速来月には行きたいんだけど、あんたいつ空いてるの。」

「いつでも。」

「じゃあ、来月頭2連休取っといて。新幹線のチケットは取っておくから。」

「だって、玲。休みにしといて。」

「はいはい。」


 決まったこの瞬間も両親を騙すことへの罪悪感が湧いてくる。きっと終わってからもこの罪悪感と戦い続けなければいけないし、答えを出した今になっても不安がずっと付きまとってくる。

 目の前にいる雅は全くそんな表情を見せない。

 この男との関係性もこれをきっかけで変わったりなんてしなければいいけれど…、なんて、少し不安を抱えることになった。
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