執拗に愛されて、愛して
 バーを出てからも、深夜1時くらいだとまだ飲み歩いている人達が多かった。今日は日付の変わった日曜日、朝まで飲み明かすつもりならこの近場しかないので、人が多いのも頷ける。

 人通りが多いところを歩いて抜けて、私と雅は歩きで自宅に向かっていた。

 その間いつも通りくだらないことを話していたけど、雅のことでどうしても気になっていたことがあって、この2人きりの内に聞いてみることにした。


「ねぇ、何であんた女遊びなんて始めちゃったの。私と交際してた時とか、遠距離中だって女遊びなんてしてなかったよね。」


 ただの興味で雅に問いかけると、雅はポケットに手を突っ込んだまま歩き続けて、そのままこちらを見ることもしなかった。飛んできた言葉は「⋯お前には言いたくない。」の一言でよくわからない。

 私には言いたくない女遊びの理由なんて、いったい何があるというのか。


「⋯隠されると気になるじゃない。」


 そう問いかけても雅はそれ以上何かを言うことはなかった。

 単純に手癖の悪さが私と別れてから再発しただけなのか、よくわからない。普段の雅が『楽な関係で遊ぶのが好きだから』とか、そういう理由を述べるならただのクズで説明がつくのに、どこか訳がありそうなのが気になってしまった。

 私には関係のないことだし、それ以上しつこくもできないけれど。
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