執拗に愛されて、愛して
「…抵抗すんのやめたの?」

「…したってやめてくんないくせに。」

「夏帆のそういう物分かり良い所好き。」


 そう言いながら私の身体を抱き上げられて、思わず雅の首に腕を回してしまった。


「寝室どこ。玄関じゃ嫌だろ?俺も久々に可愛い声聞きたいし、ベッドがいいもんな。」

「うるさい!本当クズ!最低!」

「はいはい、いいって。嫌がる振りしなくても、感じてたくせに。」


 耳元で言われて思わずゾクッとした。この人に簡単にキスしたりされるだけで、交際していた時のことを思い出して欲しくなるなんて、私も今自分が何を考えているのか理解できない。

 私と目を合わせた雅がふっと笑って、そのまま寝室まで運んでベッドに押し倒す。そのまま私の服を乱れさせてから、雅も上の服を素早く脱いで、私に覆いかぶさる。それから額や目元、耳、頬や首筋と、なぜか唇を避けて全身に口付けられて、焦らされている気がする。


「…マジで久々?最近誰ともヤってないの?」


 雅の問いかけに無視して顔を逸らすと、顔を強引に向けさせられ「言わないとキスしてやんないけど。」と、親指で唇を撫でられる。私がキスを好きなのも知っていてわざとこんなことするの、性格が悪い。


「…してない。言ったでしょ。恋愛に興味ないって。あんたみたいに付き合ってない人と簡単に寝たりしない。」

「そ、安心した。」


 そう言って私の唇に優しく口づけを落とされ、この男に夢中にさせられる。

 きっと明日には後悔する。お酒に酔っていて冷静じゃなかったって。
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