執拗に愛されて、愛して
☁︎‎‎·₊°



 春の季節、木にはまだちらほらと桃色の花びらが見えるけれど、ほとんどの花びらが地面に落ちて踏まれて少し黒ずんでいた。そんな時に、私は地元から少し離れた大学に入学した。

 過保護な両親から少しでも自立して暮らしてみたくて、本当は反対されていたのを押し切り、初めて親の目に届かない場所で生活を始める。少し移動するだけで自由になれた気がして、この大学の4年間の生活が良い物になる事を期待して胸が躍っていた。

 入学してから数日経っても、まだサークルの勧誘活動がどこも活発に動いていて、友人とキャンパス内を歩いているだけでもかなりの数の勧誘を受けた。


「どのサークルに入る?」

「夏帆は気になった所あった?」


 友人と相談しながら受け取った数枚のチラシを一緒に見ている。運動は2人共得意でも無いから、写真サークル、映研など様々な文科系のサークルを視野に入れていたけれど、あまりこれだと来るものがない。それは友人も同じ気持ちの様で険しい表情でチラシを眺めていた。


「うーん、あんまりパッとしないなぁ。旅行サークルとかもあるんだって。」


 友人の言葉に「旅行サークルなんてあるの?少し楽しそうね」と言葉を返して、チラシを見ながら歩いていた。人が来ていないか確認するためにちらっと前に顔を上げると、前から数名の男子が歩いてくる。
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