執拗に愛されて、愛して
 最初は私の友達に交際を気付かせた後、その後はついに隠す事すらしなくなった。学食で友人と昼食を共にしていると、突然頭の上にずしっと重みを感じて少し上を見上げると腕を乗せてきている雅が居た。


「夏帆、今日は?レポート終わったんでしょ。家来る?」

「ちょ、雅くん!」

「えええええ、雅の彼女って夏帆ちゃん!?」

「全然気付かなかったんだけど!」


 雅の発言に先輩達が驚いている。

 慌てている私を見て楽しそうに笑う雅。それから噂が広まるのは一瞬で、案の定女子の先輩や同級生からは嫌な事を言われる事もあった。流石に虐めとかは起きなかったけれど…。

 友人も隣でニヤニヤと笑っていて、この場では何も言葉が出てこない。


「ちょっと来て!」


 立ち上がるなり雅の腕を引っ張るとそのまま人気の無い方へ連れて行く。図書室の隅の方へと連れて行くと、雅は反省する態度も無く「大胆」なんて、揶揄ってきていた。

 楽しそうな雅とは対照的に私は怒っていた。
 こんな風に勝手にばらされたくも無かったから。


「何でわざとそう言う事するわけ!?」

「夏帆が限界って感じだったじゃん。付き合い隠すの。」

「だからって、勝手にバラすのやめてよ!友達にも、わざとばらしたでしょ!」

「でも嬉しくない?堂々とデート出来て、俺の事私の彼氏って出来るの。いつも裏で気にしてたじゃん。綺麗な先輩が近付いていくから余裕ないって。」

「…そんな事言ってない。」

「顔に全部出てんの。てか、俺が限界。最初は話したくないって夏帆をその気にさすのも、こっそりいちゃつくのも楽しかったけど、彼氏が俺だって知らずに夏帆に近付く間抜けな男を見てんのも飽きた。」


 そう言って私の頬に手を添える。
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