執拗に愛されて、愛して
 夜、露天風呂に入ってゆっくりしてから、部屋に戻ってくる。

 その頃には部屋にご飯がテーブルの上に用意していて、豪華な料理に「わあ」と思わず声を上げた。そもそも部屋に戻ってきたら、料理が用意されていると言うだけで、贅沢なのにこんないいご飯まで食べられるなんて。

 そう言えば部屋に雅が居ないと部屋を見渡していると、雅もバスタオルで髪を拭きながら浴衣姿で戻って来る。その姿は色気たっぷりで卒倒ものであることは間違いないのだけど、ここまで豪華だと宿泊費の方が気が気じゃなくなってくる。流石にお金を持っているとはいえ、金額を知らないのは不安になる。


「すげぇ、美味そ。」

「あんた、ここいくら?」

「ああ、いいよ。ここは払ってるし既に。」

「え、いいわよ。今日付き合わせたし。」

「言っとくけど一応俺歳上なんだよね、このくらい払う金は持ってるっつーの。」


 まさか雅から払ってくれているという発言が出ると思っていなくて、少し驚いたけど、これ以上言うと雅の優しさやプライドを踏み躙る気がして、素直に「ありがとう」とお礼を伝えた。

 そんな私の言葉に雅は少し笑みを見せて、私の頭をポンポンと撫でてから座椅子の方に座る。時々見せる年上の男性な部分に、不意に今も少しだけときめいてしまう時がある。
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