執拗に愛されて、愛して
「俺は戻りたいなって思うよ。」


 こちらが色々と考えている時に、そんな事を言いながらコーラを口の中に流し込んでいる。


(今、何か言った?この男。)


 そんな軽いノリで言われて何も入ってこないし、本気に出来るわけ無い。大学時代は、結構な軽いノリで交際したけれど、大人になった今も…?いやいや、冗談でしょ。

 この男に頭を使うのは無駄だって分かっているのに、頭を使ってしまった。


「あんた本当まともに告白できない男よね。」

「ちゃんと告白してほしいの?」

「告白がまずそういうもんでしょ。」


 そう言いながら笑う。

 本当おかしくて仕方ない。ちゃんと告白してほしいってどんな発言なのか。ちゃんとしていない言葉がそもそも告白になるわけが無い。きっとこの男は、自分が告白される側だったから、こういう経験もあまりないのだと思う。


「じゃあ本気でドキドキしたら縒り戻してよ。」

「何その提案。」

「頑なに拒むから。俺は恋愛対象にはいらないって証明してくれたら、諦めてもいいよ。」

「…仕方ないな。約束守ってよね。」

「そっちがな。」


 ゲーム感覚でそんな提案してくる雅に落ちる訳がないと思った。そもそも誰にでもキスをしたり、身体を重ねたりする男なんか絶対好きにならない。

 その自信があったからそう答えたけど、私はこの発言を数分後には後悔する。
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