執拗に愛されて、愛して
 雅がこちらに近付き隣に座ると、私の両頬に両手を添えた。そしてそのまま顔の距離を鼻先がつきそうな程に近付ける。

 本当にこの男の顔だけにはうっとりする。


「好きだよ、ずっと。」

「ずっとっていつから?」


 なんて笑いながら聞いてみる。雅は挑発的な私に「サークル勧誘する時に出会った瞬間から。てか、今のが好き」と言葉にしてくる。

 ときめかないなんて宣言していたのに、真剣な表情をするから思わずときめきかけてしまった。ここで強気に出ないと、すぐに入り込まれると思い「何で?」と質問を続ける。

 この駆け引きを楽しんでいるのか、笑っていて当たる息がくすぐったい。


「簡単に落ちないから落とそうって思ってたのに、一緒にいるうちにまた俺のが好きになっちゃったのかも。」


 本音かどうかなんてわからないけど、何度も好きと言われると流石に恥ずかしくなる。


「ああ、普段強気なのにそうやって照れる所とか可愛い。」

「も、もう良いから離して。」


 可愛いとか好きとかこの男が言うのは何の意味も無いんだからときめくな私。と、気を強く持たせるも限界は近かった。
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