お守りに溺愛を込めて~初恋は可愛い命の恩人~
私の桜賀への気持ちはまだ明かせないけど…
とりあえず私の今の状況がネックであることは伝えようと思った。
「あの…桜賀じゃないの。私の…今の私の状況がね…」
「えっ」
「…桜賀は…本社で働いてるし……何より副社長の息子さんでしょ?……そんな桜賀の相手が、盗作疑惑をかけられて嫌われてる女だなんて……桜賀の立場を悪くするだけだから…」
「…だから俺とは一緒になれない、そういうこと?」
「…ん…」
「なぁ、支店ではそんなに酷いのか?この前だって玄関掃除やらされてたし」
「…私が弱いだけなのかもしれないけど…」
「…いや、こんなの強いとか弱いって問題じゃねぇよ…!」
桜賀がテーブルに押し付けた自分の握り拳を睨んで言う。
こんなに怒りを露にする桜賀を初めて見て驚きを隠せないでいたら、顔を上げた桜賀が私をまっすぐに見た。
「奈都子。俺はおまえを諦めない。諦めたくない。俺は奈都子と一緒にいたいんだ。だから…もう少し…もう少しだけ待ってくれるか。…返事はその後で聞かせてほしい」
その力のこもった強い視線に「うん…わかった」と返すと、桜賀はホッとした表情に戻った。
そして「腹減ってきたな。そろそろメシにするか。懐石料理、楽しみだな」と笑顔を向けられると、私もホッと力が抜け、笑顔で返した。
「うん、楽しみ!」
「懐石って何かマナーとかあるんだろ?奈都子、知ってる?」
「や、実はよく知らなくて。一応調べてはきたけど自信ないなぁ、アハハ…」
と苦笑しながら素直に告げると、桜賀が笑った。
「ハハハ、俺も。ってか俺は調べても来なかったけど。全然わかんねぇから、まぁいつもとおんなじ感じで食おうぜ」
そう言ってくれたことでお料理に対する緊張もなくなり、うちで食べる時と変わらない、優しく楽しい雰囲気の中、二人で美味しい懐石料理をいただいた。
そして──
桜賀の言っていた「もう少しだけ待って」というのが何のことなのかは分からないし、何が行われるのかも全く読めないのだけれど、私は桜賀を信じたくて……待つことに決めた。
とりあえず私の今の状況がネックであることは伝えようと思った。
「あの…桜賀じゃないの。私の…今の私の状況がね…」
「えっ」
「…桜賀は…本社で働いてるし……何より副社長の息子さんでしょ?……そんな桜賀の相手が、盗作疑惑をかけられて嫌われてる女だなんて……桜賀の立場を悪くするだけだから…」
「…だから俺とは一緒になれない、そういうこと?」
「…ん…」
「なぁ、支店ではそんなに酷いのか?この前だって玄関掃除やらされてたし」
「…私が弱いだけなのかもしれないけど…」
「…いや、こんなの強いとか弱いって問題じゃねぇよ…!」
桜賀がテーブルに押し付けた自分の握り拳を睨んで言う。
こんなに怒りを露にする桜賀を初めて見て驚きを隠せないでいたら、顔を上げた桜賀が私をまっすぐに見た。
「奈都子。俺はおまえを諦めない。諦めたくない。俺は奈都子と一緒にいたいんだ。だから…もう少し…もう少しだけ待ってくれるか。…返事はその後で聞かせてほしい」
その力のこもった強い視線に「うん…わかった」と返すと、桜賀はホッとした表情に戻った。
そして「腹減ってきたな。そろそろメシにするか。懐石料理、楽しみだな」と笑顔を向けられると、私もホッと力が抜け、笑顔で返した。
「うん、楽しみ!」
「懐石って何かマナーとかあるんだろ?奈都子、知ってる?」
「や、実はよく知らなくて。一応調べてはきたけど自信ないなぁ、アハハ…」
と苦笑しながら素直に告げると、桜賀が笑った。
「ハハハ、俺も。ってか俺は調べても来なかったけど。全然わかんねぇから、まぁいつもとおんなじ感じで食おうぜ」
そう言ってくれたことでお料理に対する緊張もなくなり、うちで食べる時と変わらない、優しく楽しい雰囲気の中、二人で美味しい懐石料理をいただいた。
そして──
桜賀の言っていた「もう少しだけ待って」というのが何のことなのかは分からないし、何が行われるのかも全く読めないのだけれど、私は桜賀を信じたくて……待つことに決めた。