お守りに溺愛を込めて~初恋は可愛い命の恩人~
コートを羽織り、帰る支度をして玄関に行くと、響に向き合った。

「お夕飯もアイスティーも、ご馳走さまでした」

「また一緒に食べに行こうな」

「うん!……あの…響、今日は私の疑いを晴らしてくれたり、本社への異動を勧めてくれたり、それにプロポーズまで……本当に感謝しきれないよ、ありがとう。あの、まだまだ頼りない私だけど、これからも…末永くよろしくお願いします」

はにかみながら、そうお礼を言って丁寧にお辞儀をした。

「ありがとう。…そういう風に言えるとこ、すごいよな、奈都子は。本当にしっかりしてて、俺にはもったいないくらいの女性だよ。…だけど、逆にそんな奈都子に奥さんとして隣にいてもらわないと、俺は生きてけねぇから」

「ふふ、ありがとう」

少しおどけて言う響に優しく笑いかけ、パンプスを履こうと背を向けたその時…

ぎゅっ…と後ろから抱き締められた。

「…響……?」


「奈都子……好きだよ……」

後頭部にかかる吐息と熱を帯びる声に胸が大きくドクン!と音を立てると、それを皮切りに鼓動がドクン!ドクン!と強く叩き始めた。


「好きだ……帰したくねぇ……」

「ひ…びき…」


一段と強くなる私を抱き締める腕の強さと、私を求めるようなその言葉に、嬉しさと愛しさで息苦しくなるほどドキドキが強くなる。


「…あの……っ」

「わかってる、無理言うつもりはないから……だから…今はもう少しだけ……抱き締めさせて、奈都子…」

そんな響の私への熱い想いに、胸がぎゅぅうっ!と締め付けられる。


「…私も…好きだよ…響…」

「だから……今言うなよ……我慢してんだから…」

腕の力が更にぎゅうっと強くなり、後頭部には頬擦りされている感触が…

…だめ…
そこまで私を大事にしてくれる響が愛しすぎて…私の方が気持ちを抑えられなくなる。

だから…


「我慢…しなくていいよ」

正直にそう告げると、響の身体が一瞬ピクと動いた。
そして、「奈都子…」と呟くと、少しの間、黙ってしまった。


…あぁ、はしたない女と思われてしまったかな…
言ってしまった事を少し後悔していると。

「奈都子…もう少しだけ、時間いいか?……話しておきたい事があるんだ…」

抱き締められたままそう言われ、一抹の不安を抱きつつ「…うん、いいよ」と答えると、二人でリビングへと戻った。

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