お守りに溺愛を込めて~初恋は可愛い命の恩人~
私のその言葉に少し肩の力が抜けたのか、ホッとした表情になった。
「…ありがとう、奈都子。…なぁ……奈都子は…俺の胸に傷があっても…驚かない?見ても嫌いにならない?」
以前の、自信に満ち溢れて憎まれ口を叩いていた頃と同じ人とは思えないくらい、細い声で問う。
「うん。手術したのも知ってるから、傷っていうか手術痕があるのは当たり前だと思ってるよ。…そもそも何でそれで嫌われると思うの?」
「ん……昔…付き合った女、2人立て続けに傷が嫌だって言われてさ……世の中こんな女ばっかじゃないはずだと思ってみても…何かもうこれ以上イヤな気持ちになりたくなくて……それから誰とも付き合えなくて…」
「そうだったんだ……それは辛かったよね…」
私の手の中の、響の手を優しく撫でる。
「あ……じゃあ…ルナさんはその手術痕を見たんだね」
「…ごめん、こんな話、聞きたくないだろうけど……その…そういう雰囲気になって……俺の傷を汚いものみたいに見て、逃げるように部屋を出てったんだよ。…で後日『完璧にきれいじゃないからダメ』ってフラれてさ。俺が大学1年の時だけど」
「そうだったんだ…」
「ごめん、こんなの聞きたくねぇよな」
「ううん。…響は…ルナさんのこと、好きだったんでしょ?」
「いや、特別好きだった訳じゃねぇかな」
「そうなの?」
「あぁ…合コンで一方的に言い寄られたんだけど悪い気もしなかったし、じゃあ付き合ってみるか、って感じだったから。…俺、中高一貫の男子校で、勉強ばっかしてる〝年上のボッチ〞だったからさ、ちょっと大学デビューみたいな感じで浮かれてたのもあって」
「そっか…。でも、彼女にそんな態度をされたら…傷つくよね」
「まぁ……最初は浮かれて調子に乗ってた分ショックもあったけど、気を取り直して次の女と付き合って。…で、その女にはそういう関係になる前に早目に言ってみたら、見せてもないのにソッコーで『気持ち悪い、無理』って言われてさ。さすがにこうも立て続けだと『この傷ってかなりマイナスポイントなのか』って思い始めたよ」
「そんなことはないけど……中にはそういう人もいるんだね」
「だから……奈都子に気持ちを打ち明けるのは二段階でハードルがあったんだよな。…告白して断られたら、同僚としてのあの関係も壊れるんじゃないか、ってのと、もし付き合えたとしても『傷が無理』ってフラれたら立ち直れねぇかも、ってのと。……だから早く付き合いたかったけど、ダメだった時のリスクを考えたら、告白するのは俺が異動してからだな、って考えてさ。…ま、実際は外堀を埋めるように見合いまで設定したけど。…ハハ、こうして思い返すとすげぇ弱虫だな、俺」
「ううん、そんなことないよ。でも、そっか、響も色々と葛藤してたんだね。……私も同じ様に思ってたよ。私が告白して断られたら、もう2人で食事に行くこともできなくなるかも、とかね」
「そうだったのか……それなら早く好きだって打ち明けとけばよかった。…って、これは今だから言えるんだよな。当時は絶対に言えなかったもん、怖くて」
「あはっ、私も」
「…ありがとう、奈都子。…なぁ……奈都子は…俺の胸に傷があっても…驚かない?見ても嫌いにならない?」
以前の、自信に満ち溢れて憎まれ口を叩いていた頃と同じ人とは思えないくらい、細い声で問う。
「うん。手術したのも知ってるから、傷っていうか手術痕があるのは当たり前だと思ってるよ。…そもそも何でそれで嫌われると思うの?」
「ん……昔…付き合った女、2人立て続けに傷が嫌だって言われてさ……世の中こんな女ばっかじゃないはずだと思ってみても…何かもうこれ以上イヤな気持ちになりたくなくて……それから誰とも付き合えなくて…」
「そうだったんだ……それは辛かったよね…」
私の手の中の、響の手を優しく撫でる。
「あ……じゃあ…ルナさんはその手術痕を見たんだね」
「…ごめん、こんな話、聞きたくないだろうけど……その…そういう雰囲気になって……俺の傷を汚いものみたいに見て、逃げるように部屋を出てったんだよ。…で後日『完璧にきれいじゃないからダメ』ってフラれてさ。俺が大学1年の時だけど」
「そうだったんだ…」
「ごめん、こんなの聞きたくねぇよな」
「ううん。…響は…ルナさんのこと、好きだったんでしょ?」
「いや、特別好きだった訳じゃねぇかな」
「そうなの?」
「あぁ…合コンで一方的に言い寄られたんだけど悪い気もしなかったし、じゃあ付き合ってみるか、って感じだったから。…俺、中高一貫の男子校で、勉強ばっかしてる〝年上のボッチ〞だったからさ、ちょっと大学デビューみたいな感じで浮かれてたのもあって」
「そっか…。でも、彼女にそんな態度をされたら…傷つくよね」
「まぁ……最初は浮かれて調子に乗ってた分ショックもあったけど、気を取り直して次の女と付き合って。…で、その女にはそういう関係になる前に早目に言ってみたら、見せてもないのにソッコーで『気持ち悪い、無理』って言われてさ。さすがにこうも立て続けだと『この傷ってかなりマイナスポイントなのか』って思い始めたよ」
「そんなことはないけど……中にはそういう人もいるんだね」
「だから……奈都子に気持ちを打ち明けるのは二段階でハードルがあったんだよな。…告白して断られたら、同僚としてのあの関係も壊れるんじゃないか、ってのと、もし付き合えたとしても『傷が無理』ってフラれたら立ち直れねぇかも、ってのと。……だから早く付き合いたかったけど、ダメだった時のリスクを考えたら、告白するのは俺が異動してからだな、って考えてさ。…ま、実際は外堀を埋めるように見合いまで設定したけど。…ハハ、こうして思い返すとすげぇ弱虫だな、俺」
「ううん、そんなことないよ。でも、そっか、響も色々と葛藤してたんだね。……私も同じ様に思ってたよ。私が告白して断られたら、もう2人で食事に行くこともできなくなるかも、とかね」
「そうだったのか……それなら早く好きだって打ち明けとけばよかった。…って、これは今だから言えるんだよな。当時は絶対に言えなかったもん、怖くて」
「あはっ、私も」