お守りに溺愛を込めて~初恋は可愛い命の恩人~
たまたま目に入った時計の針はもう日付を跨ぐ時間を指していて、このままでいたいと思いつつも、そろそろ寝た方がいい時間だよね…と、響に声を掛けた。


「そろそろお休みする?」
「んー……離れたくねぇ…」
「え?ベッドで一緒に寝ないの?」
「俺はソファで寝るよ」
「何で?一緒に寝るの苦手?…あ、もしかしてこの前、私の寝相が悪かったとか?」

「いや……一緒に寝たらきっと我慢できねぇと思うし…」

という言葉にドッキン!と胸が強く鳴ったけど、それを悟られない様に返す。

「じゃあ、別々がいいのなら響がベッドを使うこと」
「だからそれはだめだって」

さっきのお風呂を勧めた時と同様にそう言うのはわかっていたから、バックハグからスルッと抜け出ると、今度は響の正面に正座した。

「いい?響がソファで寝るのはダメだからね。私がソファで寝るか、一緒に寝るか、だよ!」

そう強めに言うと、響が少し困ったように、ふ…と優しく笑った。

きゅんっ!

そんな顔も会社では見たことがなくて、〝私しか知らない響〞なんだと思うと、より一層、愛しさが増してくる。
…けど、今はそれを隠してもう一度問う。

「一人で寝るか、一緒に寝るか。さぁ、どうする?」


すると、響はその優しい眼差しのまま口を開いた。

「じゃあ、俺の上においで」

…ん?返事が「俺の上においで」??

どういうことかと疑問に思っていたら、あぐらをかいている響の腿を跨いで座れということらしい。

「…こう?」
よくわからないけど、向かい合わせの状態に照れつつ、言われた通りに腰を下ろしてみた。

…けど、やっぱり全体重を乗せるのはどうしても気になる!

「ごめん、重いからやっぱ降りるね」

そう断りを入れたのに、私が腰を上げるより早く響に抱き締められた。

「ダメ。離さない」


ひゃあっ!
正面きって密着してるから、胸からドキドキが伝わってバレちゃいそう。


でもね、あったかくてすごく心地いいの。

だから…私も響の背中に手を回して、首元に顔をうずめた。

テレビを見ながらのバックハグもすごく心地よかったけど、正面から抱き締め合っていると、安心感と愛情と幸せで心が満たされていくのがわかる。
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