お守りに溺愛を込めて~初恋は可愛い命の恩人~
週明けの月曜日。
11月に入ったというのに今日はとても暖かく、気持ちのいいお天気だったから、葵とのランチを急遽ファミレスからいつもの公園に変更!
お店の中よりこっちの方が回りを気にせずゆっくり話せるからね。

そして、コンビニで買ったおにぎりを頬張りながら、週末にあったことを早速葵に報告したんだ!

私が本社へ異動することと、響にプロポーズされたこと。
そして日曜日の夜まで一緒にいたことをね。

それを葵がわが事の様に喜んでくれたのが嬉しかった。


「ありがとう。ほんとに葵のおかげだよ。私一人だったらもっと早くに辞めてただろうし。…そういえば、この前のWeb会議の時の暴露も知ってたんだってね」

「あ、桜賀から聞いた?」

「うん。だからあの時、昔の自由帳を持って来てたんだね。何であの場面でポンと出てきたのかすっごい不思議だったんだけど、響から聞いて納得して」

「それそれ!名前で呼ぶのがもうすっかり板についてるね!よっ、奥さん!」

「もう葵ってば……ふふっ」
〝奥さん〞だなんて、茶化されてるのに嬉しくなっちゃった。


「あ、そうだ。ナツコは午前中オフィスにいなかったから知らないよね。ルナさんの事」

「え?ルナさん、何かあったの?」

「辞めたって、会社」

「そうなんだ…」

「ま、そりゃそーよね。あんな風にバレたらもう会社に来れないよねー。ナツコはもちろん、みんなに合わせる顔もなけりゃ、保科達からはギャンギャン言われるだろうしさ」

「そうだね…」

「ちな、保科と田巻は来てたけど、まー居心地悪そうだったわ。あいつらも辞めるかもね。ってゆーか〝クソガ〞こそ居なくなってほしーんだけど。ちょっと奥さんから桜賀に言って排除するとか、何とかしてもらってよー」

「だからまだ奥さんじゃないし」

「って言ってる割にはすんごい締まりのない笑顔だけど」

「エヘ……そりゃあ言われたら嬉しいもん」

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