お守りに溺愛を込めて~初恋は可愛い命の恩人~
「…ああぁ!絶対勝てると思ったのに…!僅差で負けるなんて……!」
「僅差だろうが大差だろうが、負けは負けだからな。連続敗北記録更新か…さすがボケナス子だな。まぁ、好調だった今回でコレってことは、俺には一生勝てねぇかもな?ってことで、今回の命令も『ナス子の奢り』。な?」
「っ……分かってますー!」
「そうだな、毎月恒例になってるとはいえ今回は僅差だしな……よし、たまにはいいもん食うか。あ、店は俺が決めるから、会計よろしくな」
フッ、と色気のあるドヤ顔で煽りながら、私達しかいないオフィスを出ていく桜賀(おうが)の背中に、フンッフンッと鼻息荒く減らず口を叩きつける。
「かっ勝手に恒例にしないでもらえます!? っていうか〝いいもん〞て何!? お高いやつなら夕飯前にパンとラーメン食べといてよね!」