お守りに溺愛を込めて~初恋は可愛い命の恩人~
「そっか…奈都子はそう思ってたのか…」
「ん?」
少しだけ頭を上げると、響は私の後頭部を撫でながら話し出した。
「俺さ、すごく我慢してた。奈都子は萌音を帝王切開で生んで、傷の痛みもある中で育児が始まって…それからもずっと母親として24時間育児を毎日頑張ってて……それなのに何もしてない俺が、俺のことも相手してくれ、とかワガママ言っちゃダメだよな、って…抱きたいとかもあまり言えなくて、そういう我慢する事が何か当たり前になってさ」
「何もしてないなんて、そんなことないよ、響は一緒に育児してくれてるもん。それに家事だって率先してやってくれて…私、すごく助かってるしありがたいと思ってるよ。何より、育児の楽しさも大変さも分かち合ってくれてるのが嬉しいの」
「そっか…よかった、ありがと。…でも、奈都子は自分の時間も犠牲にしてるのに、前みたいに頻繁に俺の欲ってかワガママをぶつけるなんて申し訳なくて……だから、抱きたくて堪らない時に奈都子の様子を見て…って」
「響…」
「だから正直言うと、かーなーり我慢してたよ、ははは。でもな、奈都子に無理させたくないってのも本音で。夜は休める時にしっかり休んでほしいしさ」
「そっか…ありがとう。私のために我慢してくれてたんだね…」
「あ、いやごめん、奈都子のせいにするつもりじゃ…」
「ん、分かってるよ。…でもそっか、我慢してたんだ…」
「奈都子…怒ってる?」
「ううん、全然!私に興味がなくなったとか、身体に傷があってヤダっていうのじゃなくて良かったなぁ、って安心した。はぁ…よかったぁ」
顔を上げて響を見てそう言うと、また優しく抱き締められた。
「俺が奈都子に興味がなくなることなんてあるわけねぇよ。こんなに…大事で…大好きで…毎日、愛おしく思ってんだから」
「うん…ありがとう…」
安心が心に広がるとじんわりと温かくなってきた。
「じゃあさ、我慢してたこともぶっちゃけたワケだし、これからは前みたいに言ってもいいか?抱きたいって」
「うん!あ、できない時もあると思うけど…」
「それはもちろん。それを伝えることで奈都子も安心できるなら、俺はどんどん言いたいと思ってる。…あぁ、けど俺は奈都子からも言ってほしいな」
「えっ」
「ほら、いつだったか、抱かれると安心するって言ってただろ?そういう抱かれたい時とかがあれば言ってほしいんだ。俺にもちゃんと甘えろよ?」
「響……ありがとう…うん、甘えさせてね」
「ん」
私の頭をヨシヨシって撫でてくれた。ふふふ
「ほんと言えば今すぐにでも抱きたいけど、旅先だしな、もし何かあったら大変だから、今日は我慢しとく。じゃあ……もう寝る?」
「ううん、もう少しこうしてたいな。今ね、すごく心が満たされてるの。…2人でゆっくりするのが久しぶりだからかな。…ふふ、いつだったか、響が「奈都子不足」って言ってたの、思い出しちゃった。響が忙しかったからそんな感じなのかも、私」
「俺も。こうして奈都子とくっついてるとすげぇ安心する。…うん、何よりの癒しで、何よりの心の栄養だな」