お守りに溺愛を込めて~初恋は可愛い命の恩人~

──桜賀は私の部屋を出てから1時間後にまたやって来て、この日、帰ったのは夕飯を食べた後だった。

「いくら居心地がいいからっつって2日も泊まるのはさすがに悪いし」って笑いながら言ってたけど、もしそこで私が「いいよ」って言ったら泊まってくれてたのかな。



…そんなワケで、今日はほんとに1日ずっと一緒にいたの。
お昼や夕飯の食材の買い出しも一緒に行ってくれて。

そういえば私が家事をしている時、桜賀は寝室のベッドに寄り掛かって私の本を読んでたっけ。
ちらっと覗いたら、黙々とすごく真剣な顔で読んでいて、やっぱり桜賀は勉強家なんだなぁ、って改めて尊敬しちゃった。


だけど今日は、昨夜みたいなドキドキさせる様な発言も恋愛的な絡みも一切なくて、まさに〝友達以上恋人未満〞という表現がしっくりくる雰囲気だった。

それでも、桜賀と一緒にいると一人でいる時よりも楽しくて心地よくて、それも嬉しかったんだ。

もし桜賀と結婚できたら、毎日こんな風に楽しく過ごせるのかな。


それとも…
〝友達以上恋人未満〞だから心地いいのかな…


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