お守りに溺愛を込めて~初恋は可愛い命の恩人~
──先月のこと
〝とうとう例の支払いが来る…!〞と、恐る恐るクレジットカードの利用明細を見てみると、高級焼肉店での利用の形跡がなかったの。

明細の利用日を確認すると、その日の前後はちゃんとカードが使えているのに、焼肉店の会計だけが抜けていて。

だから、カード会社に連絡する前にまず桜賀に何か知らないか聞いてみたら、あの時、私がその場にいなかったから使えなかったんだって、私のクレジットカード。
それで桜賀が自分のカードでお会計してくれたみたいなの。

だから、立て替えてもらった分をお返ししようと思って金額を聞いたんだけど、教えてくれない上に、「今日まで高額の支払いに怯えてハラハラして過ごしてただろ?それでチャラでいーから」なんて言う始末。

チ、チャラ!? 数万円をチャラ!?

さすがに高額すぎるし、それじゃ申し訳なさすぎて私の気が済まないから、せめて自分の分だけでも払わせて!と何度も言ったら、桜賀から「じゃあ、奈都子の都合のいい時でいいから、俺の分も夕飯作って欲しい」って提案されたの。

正直に「…そんなことでいいの?」って言ったら、「あぁ。奈都子ん家でまた前みたいに食わせてもらえたら嬉しい」って言ってくれたから、それ以来、時間のある時に夕飯を作って、うちで一緒に食べてるの。

金曜日や土曜日だとこの前みたいにお酒も飲んで、たまに泊まっていくこともあるし。
(だから今では葵の分の他に、桜賀のお泊まりセットも置くようになったんだ。ふふっ)


でも、桜賀の考えてることがよく分からないんだよね。

だって、これって高級焼肉をご馳走になったお礼のハズなのに、私が食材を買いにスーパーに行くと桜賀がついてきて、そのお会計をしてくれるんだよ?
その代金を出すくらいなら、外食した方が断然安くておいしいのが食べられるのに。

しかも、この夕飯のために桜賀用の食器一式を揃えることになったのだけど、なぜか私もお洒落な雑貨屋さんに連れていかれてね、「どうせだし、奈都子も食器、新調すれば?」って桜賀がお揃い(色違い)の食器を選んでくれて、全部買ってくれたの。

そりゃあ、私は嬉しいよ?
私の作った料理を、お揃いの食器で一緒に食べるなんて、まるで夫婦みたいなんだもん。


けど、きっと桜賀にとってはあまり深い意味はないんだろうなぁ…


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