お守りに溺愛を込めて~初恋は可愛い命の恩人~
「…ここはアフリカの砂漠かいな…」
「…8月の後半で、この暑さは尋常じゃないよね…」
お昼休みの、いつもの公園。
近くのコンビニで買ってきたアイスを、葵と2人、ガゼボの下で急いで頬張る。
だって、どんどん溶けていくんだもん。
「…あー…身体の中にオアシスが…生き返るー」
「わかるー……生き返るよねー…っと、溶けちゃう溶けちゃう」
「ヤバ、とりま全部食べちゃお」
「そうだね」
コンビニに行くまでは〝今日はカップのかき氷が正解だよね!〞なんて葵と話してたのに、ショーケースを見たらやっぱりお気に入りのソフトクリームが食べたくなっちゃった。
急いで食べてるからゆっくり味わえないけど、安定の美味しさに満足です!
よし、1滴も落とさずに食べきったぞ。
あ、葵も同じタイミングで食べ終わったみたい。「満足、満足~」って至福の笑みしてる。あはは。
「そういや9月からお客さんの投票が始まるんだよね、マスコットキャラクターの。もうすぐじゃん」
「うん、そうだね」
「ナツコは〝まもるん〞で出したんでしょ?今回出したのはまだ見てないけど、変わってない?昔のと」
「うん。実家から持ってきた昔のノートを見ながら描いたんだけど、小学生の絵のままじゃちょっとあれだから、線やバランスはちょっとだけきれいにお直ししたけどね。でも見た目もコンセプトも昔のまんまだよ」
「来週、キャラクターの一斉公表だもんね。全国からどんだけ集まったんだろ」
「きっと素敵なキャラクターがたくさんいるんだろうなぁ。〝まもるん〞は埋もれちゃうかも」
「そう?あたしは結構いけると思うよ。昔っから見てるキャラだし愛着があるから余計にそう思うわ」
「あはは、もう〝まもるん〞は親戚か?ってくらい親しんでるでしょ」
「そうよ、〝まもるん〞の存在は甥っ子姪っ子並に感じてるし。…やだちょっと、あたしがドキドキしてきたじゃん」
「あはは!嬉しいこと言ってくれるねー、さすが姉妹並みの親友!」
「んじゃ今日は気分が良くなったナツコに夕飯作ってもらおっと。あ、そのまま家飲みね。桜賀の事もまだ聞いてないしね~」
うわ、とうとう来たかぁ。
「ん、わかった。じゃあ家飲みで話すよ」
「そうこなくっちゃ!」
「あ、そろそろ時間だね。じゃあ、また夕方に」
「これで午後の仕事、俄然やる気が出てきたわ。よっしゃ、ガンバろ!」
ピカピカ笑顔の葵と苦笑いの私と、ふたり仲良く炎天下の中、オフィスへと戻った。
…まぁ葵には話しておいた方がいいよね、今の桜賀と私の微妙な関係。