お守りに溺愛を込めて~初恋は可愛い命の恩人~
すると、保科さんが私達の後ろを見て言った。
「ねぇ、桜賀くんも宝花さんが盗んだとしか思えないでしょ?」
えっ、桜賀が後ろにいたの!?
聞かれてたんだ…
どう…思ったかな…
ルナさんを信じちゃうかな…
桜賀にまで疑われたら…と思うと、怖くて振り向けず、桜賀が話し出すのを黙って待った。
「さぁ。…でもナス子は盗んでないと言ってますが、確実な証拠でもあるんですか?」
「メモリがあったのよ?宝花さんのデスクに」
「鍵もない引き出しに入っていたというだけでは証拠とは言い切れないかと。それに、今の話だけでは何ともいえませんから時系列で話しましょうか。二人がいつからキャラクターを描き出して、それから何をどうしたか」
「そうね、それがいいわ!ね、ルナ、とことん追い詰めようよ!ハッキリさせた方がいいって!」
「典子、もういいのよ。…桜賀くんもごめんね、仲のいい奈都子ちゃんを悪く言われたら嫌だよね」
とルナさんはその場を収めたが、最後までルナさんは、あれが自分の作ったキャラクターであると押し通した。
その場はそれで終わったのだけど…
支店内ではなぜか私に対する風当たりが日に日に強くなっていった。