告白[Confession of love]
PHASE-02
——————————————————
《《《 PHASE-02:高校3年生 4月 》》》
——————————————————

 春休みが明け、高校3年生になった。

 俺は春休みの間に、一大決心をした。

 それは、九条佐緒里に告白をする事だ。

 出来れば4月、遅くとも5月中には済ませてしまいたい。受験の事を考えれば、今の時期に告白するのは迷惑かもしれない。

 でもこれを引き延ばしてしまえば、更に告白をする事は難しくなると思ったからだ。


「たっ、拓巳!? イメチェンしたのかよ!? 似合ってる似合ってる、格好良いじゃん!!」

 久しぶりに会った純太は、手放しで俺のイメチェンを褒めてくれた。俺も純太のように、髪を染めたのだ。

「夏休み終了までの限定カラーだけどな。それ以降はやっぱ、黒髪に戻そうと思ってるけど。純太は?」

「俺もどこかのタイミングでな! 3年になってまで染めてるのって、ほとんどいなくなったけどな!」

 純太は笑いながら、俺の肩をパンパンと叩いた。 

 幸運な事に、また純太と同じクラスになれた。その上、告白を決意した九条佐緒里とも同じクラスになれたのだ。


 3年の担任になった山城は、俺の髪色を見て嫌悪感を露わにした。そのくせ、純太には親しげに話しかけたりしている。正直、気分は良くなかった。

 だが、嬉しい事もあった。黒板に視線を向けると、その手前に九条佐緒里がいるのだ。次の席替えがあるまで、俺はずっと九条佐緒里を見ていられる。こんな嬉しい事は無かった。

 そして、告白は一日でも早くするべきだと思った。

 こんな状態で勉強なんて、手に付くはずがなかったからだ。
< 4 / 9 >

この作品をシェア

pagetop