君と始める最後の恋
 喧嘩してムカついていても先輩の事を考えるとたくさんの好きが出てくる。こんなに喧嘩もして嫌と思っても好きなのをやめられないの一ノ瀬先輩のせいだ。

 掻き混ぜ終わって軽く洗い物を済ませていると、小川くんはその行為をしている私をじっと見ている。


「こんなの見て楽しい?」

「いえ、ただ見てたいなって思って。あの、桜庭さんのコーヒーは俺が淹れてもいいですか。」

「え、あ、いやいや!私コーヒー飲まないから。」


 先輩が変な事を昨日言ったから小川くんの言葉にいちいち反応してしまう。

 もう、本当最悪。ありえないと思っているのに、こんなに意識してしまうのは先輩のせい。

 小川くんと一緒にオフィスに戻り、既に来ている先輩のデスクにコーヒーを置く。先輩は少し顔を上げてこちらを見てくる。


「…ありがとう。」

「…はい。」


 どんだけムカついても素直にお礼だけは言ってくれる先輩可愛い…。キュンとしてしまった思わず。
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