君と始める最後の恋
「ああ、もう本当君鈍感だし察しも悪い。こんな所で告白とかそんな事したくなかった俺の気持ち分かって。」

「じゃあ何で…!」

「バカ。そんなん俺の口から言えないでしょ。もう何なの君。」

「何なのは私ですよ!私ばっかおいてけぼり!むっかつく!でも土曜日はやっぱ無しって言っても無しになりませんから!先輩のバカ!」

「無しとかそんなん言わないし。バカは君でしょ、バカ。」


 何でいつもこうなるのか。好きなんて言われたのに女の子らしい反応できない。

 先輩が会社で、しかも誰かとの会話から引っ張ってまでも告白って…、そんなことする人だと思えないし、片思いも3年目に突入していたところで…、その間好きになってもらえているなという実感はどれ一つなかった。

 それに絶対に顔が赤くて人には見せられない顔をしているはずで、このままオフィスに戻れない。


「…オフィス戻れないの先輩のせいですから。」

「俺のせいじゃないでしょ。」

「ポーカーフェイスな先輩はいいですよ!そりゃ、感情が表情に出にくいですもんね!」

「いいから、戻るよ。いつまでもこの空気感でいたくない。」

「でも、今2人きりですよ?私せっかく連れてこられたならもう少しこの時間堪能してもいいのでは。」


 なんて私の発言は無視して廊下に戻る扉のドアノブへと既に手をかけていた。


「うわ!いじわる!」

「いたいなら勝手にいなよ。」

「1人でこんなところ突っ立ってたら不審者でしょうが~~~~!」

「あ、また威嚇してる。」

「してません!」


 そんな会話をしながら一緒にオフィスまで戻って行った。
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