君と始める最後の恋
 しばらくしてから先輩が遠くから歩いてくる。

 何で好きな人って少し遠くにいても見つけられてしまうんだろう。あの部分だけ神々しい気がする。

 私が遠くから手を振ると、先輩もきょろきょろしたりする事無く、私の元へ真っ直ぐ歩いてきた。


「お待たせ、遅くなった。」

「お疲れ様です!」


 合流しても割といつも通りの会話で、隣を歩く。


「何食べたいか決めたの?」

「今日は焼肉行きたいのですがどうですか!」

「週の始めで服に匂い付けるのきつい。」

「はっ、確かに言われてみれば。まだクリーニング持って行けませんこのスーツ。」


 営業職だし余計匂いには気を付けているよね。

 先輩の服はいつも良い匂いがする。何の柔軟剤入れてますか?って聞きたくなるほどの、良い匂い。って、スーツはクリーニングだから柔軟剤関係ない…?じゃあフェロモンってこと?なんて変態思考が完成してしまった。

 こんな思考のことは、流石に先輩にも引かれそうなので話せない。


「あ、じゃあしゃぶしゃぶとかはどうでしょう?今日はお肉がいいです。」

「良いんじゃない?」


 そんな会話の末、決定したしゃぶしゃぶ。久しぶりに食べに行くのも嬉しいけど、先輩との夕飯デートと思えば結局何でも良かった。
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