君と始める最後の恋
離せるわけない
「遂に!おめでとう、2人共!」


 沙羅さんと充さんが私達の報告を喜んで聞いてくれた。何だか少し照れくさくて、先輩も少しやりにくそうにしている。先輩に至ってはお兄さんもいるしきっとやりにくくて仕方ないと思う。


「いつかそうなるって思ってた!お似合いだよね、2人。」

「類が、彼女か…。ようやくだよな。」

「やめてくんない?2人とも。」


 照れくさそうにしている先輩の顔がなんだか可愛い。たじたじになって何も言い返せてない感じが尚可愛い。可愛いしか出てこない、うちの彼氏が尊い。


「そっか、郁ちゃんずっと類くん好きって言ってくれてたもんね。類くんもね、ずっと郁ちゃんのことばっか話して「沙羅」」


 沙羅さんが話している途中で先輩が遮る。沙羅さんはそんな先輩を気にすること無く笑っていたけど。何の話ですかって聞いてもきっと答えてはくれない。


「そっか…、じゃあいつか郁ちゃんが義妹になるの?」

「お義姉さん…。」

「バカじゃないの、君も乗っかんなくていいから。気が早すぎ。」


 先輩の呆れた様な表情、だけどその表情はどこか優しくて嬉しくなる。

 こんなの浮かれちゃう。交際したってはっきり報告してくれるなんて。先輩なりの私への安心のさせ方だったのかも、なんて思うとなんだかんだ愛されているなと感じる。
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