君と始める最後の恋
「置いてくわけ無いでしょ。」


　呆れる様な感じで言っているのにその声色は随分優しい。私を抱き寄せながらよしよしと頭を撫でておでこに軽くキスをする。


「わかりにくいのかな俺。」

「…自分でわかりやすいと思ってたんですか？」

「喧嘩売ってる？」


　少し笑いながら頬を摘んでくる類くん。類くんがわかりやすいと言えるなら周りの人はみんな家族並みに理解しあえてしまう様な気がする。それに類先輩は素直になれない上に極度なツンデレなので、わかりやすいはずがない。

　普段から好きとかそういうの伝えてくれるタイプでもないし、むしろ言ってくれないタイプ。不満があるわけではないけど、時々言葉をもらえないと不安になるの。類くん、本当に私の事好きで居てくれているのかなって。類くんの気持ちを疑ってしまう自分にも嫌になる。
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