君と始める最後の恋
「わああ、ちっちゃい…。」


　寝返りしている赤ちゃんを眺めながら近くで見ている。大きな目は沙羅さん似だし、他のパーツはすごく充さんに似ている。女の子ってはっきり分かる顔立ちをしていて、まんまるで柔らかそう。


「郁ちゃん抱っこしてあげて！」

「え！いいんですか！」


　そっと横抱きにしようとしても意外と暴れる。

　落としてしまわない様に身体には力が入る。


「わわっ、私の腕の中落ち着かないかな…。」

「もう首座ってるから縦抱きにしてあげな。赤ちゃんとは言え、徐々に横抱き嫌な子増えてくるから。」


　そう言いながら支えるようにして、赤ちゃんの身体を起こさせてくれた。

　類くんが詳しい…！？と、類くんに言われるがまま、縦抱きに変えると腕の中で落ち着いている。


「え、もう旦那さんでパパでした？」

「は？」


　そんな謎な会話をして類くんと見つめ合うと沙羅さんが笑っている。
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