君と始める最後の恋
 昼休みも空けた午後のこと。


「郁、今日出先なんだけど、まだ会議資料終わってなくて…。」

「ん!了解、終わらせておくよ!」

「まじ!?助かる…、あれなら定時来たら途中でも帰っていいから。」

「それは私の気分次第だなあ。」

「何だそれ、頼りにしてるよ。いつもありがとうな。」


 なんて言いながら私の方にグータッチを求めてくるので、なんだか懐かしいノリに少し笑って私も返す。結絃も少し嬉しそうに笑うと、鞄を持って外回りに出ていった。

 すごく頑張ってるし、ヘッドハンティングされてきただけあってすごく頼りにされてるからそこだけは支えてあげたいと思う。私の個人的なことは置いて仕事に関しては全力でサポートするって決めていた。

 類くんは、類くんで新しい補佐が優秀みたいで、上手く連携取れているらしい。2人で距離近く話すのを見ると少し嫉妬してしまいそうになるけど、この気持ちを仕事にぶつけている。

 それと、私にはそんな姿を見ても許せる理由があった。
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