君と始める最後の恋

「郁先輩、今日は私と飲みに行きません？」

「え、良いの？」

「普段私も我慢しているんですからね！家庭を持った先輩を頻繁に誘えないって！今日は私に付き合ってください！たまには、私も大好きな郁先輩を独り占めしたいんです！」


　少しむくれた表情で言う志織ちゃんが可愛くて仕方ない。

　いつも気を遣ってくれているのは分かってるし、それでいてこんな風に伝えてくれるのがすごく愛しい。


「よし！飲みに行こう！」

「飲ませ過ぎたら一ノ瀬さんに怒られそうなので、きちんと連絡だけしてください。」

「飲み過ぎない！」


　志織ちゃんとそんな会話をして少し笑い合うと、元気が出てきた。

　いつも一人のご飯も寂しかったし、たまにはいいよね。