君と始める最後の恋
 そんな私の様子を見て類くんがふと笑みを零すと椅子から立ち上がって私の事を抱き寄せてくる。

 そして頭をぽんぽんと撫でると、耳元で「急いでいくから、寝室で待ってて」と囁いてきた。

 そんな言葉だけでも期待値がどんどん上がっていく。

 私の顔を見ると満足そうに笑って私を寝室に追いやる。

 待っててよかった~!

 大人しく寝室でベッドに入って待つ事にした。




𓂃𓈒𓂂𓏸





 落ち着かない様子でスマホを眺めていると、お風呂を済ませた類くんが入ってくるなりこちらを見る。

 目が合うと「ちゃんと起きてたんだ」なんて言葉を掛けてベッドサイドに腰掛ける。

 少し髪が濡れているのも何だか色っぽく見えてドキッと胸が鳴る。

 私の頬に軽く触れると私の手からスマートフォンを取って離させ、枕元にそっと置く。それからそのまま唇に口付けを落としてくる。

 最初は触れ合うだけの焦れさせられるだけのキスだったのに、どんどんと深みを増していく。

 息を漏らして、少しはしたない声が出るのもまだ恥ずかしくて顔が熱くなる。

 久し振りの行為に大胆にはなり切れなくて、類くんのシャツを控えめに掴む。

 類くんは、どんな顔して…。

 少し見たくて軽く目を開くと、類くんと目が合って慌てて目を閉じる。


「(何でこっち見て…!)」


 あまりの恥ずかしさで、類くんの肩を軽く押すとようやく離れてくれた。

 息が上がって類くんの方を見ると、余裕そうな表情をして私を見るだけ。

 いつも類くんばかりが余裕そうで悔しい。


「な、何で見て…。」

「悪い?」

「悪いに決まってるじゃないですか!恥ずかしいです!」


 そう言って抗議すると、類くんは少し笑って私の頬を両手で挟む。
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