君と始める最後の恋
夕食を頂いた後に、洗い物をさせてもらっていた。
作ってもらった上に何も出来ないのが申し訳なくて、片付けだけでもと作業している時だった。
沙羅さんが急に音が鳴ったスマホに反応をする。
もしかしたら充さんがそろそろ帰ってくるのかも。
時計の針は既に21時を示している。
私もそろそろお暇しなければと思っていると沙羅さんが電話に出ながらこちらを見る。
「あ、そうなんだ。今変わる?」
そう言いながら沙羅さんがスマホをこちらに渡してくる。
突然どうしてスマホを渡されたのか理解できず首を傾げると、沙羅さんが少し笑って「類くん」と教えてくれた。
何で、類くん。
まだ仕事も終わっていないと思っていたし、と、少し驚いてスマホを手に取る。連絡もしなかったから怒っているかもしれない。
ほんの少し身構えてスマホを耳に当てる。
「も、もしもし…。」
『連絡もしないで何してんの。繋がらないし。』
「ごめんなさい。」
案の定少し怒っているような声色に謝る事しか出来ない。
私が無言で何も言わず居ると少し声色を優しくして『心配した』と一言伝えてくれた。
「…これから帰りますね。」
『馬鹿じゃないの。こんな夜遅いのに。家で待ってて、迎えに行くから。』
「いや、大丈夫です!1人で帰れますし。」
『いいから言う事聞いて。これ以上心配させないで。』
そう言われてしまえばもう大人しく従うしかない。
こんな所で手間を掛けさせたかったわけじゃないのに。
作ってもらった上に何も出来ないのが申し訳なくて、片付けだけでもと作業している時だった。
沙羅さんが急に音が鳴ったスマホに反応をする。
もしかしたら充さんがそろそろ帰ってくるのかも。
時計の針は既に21時を示している。
私もそろそろお暇しなければと思っていると沙羅さんが電話に出ながらこちらを見る。
「あ、そうなんだ。今変わる?」
そう言いながら沙羅さんがスマホをこちらに渡してくる。
突然どうしてスマホを渡されたのか理解できず首を傾げると、沙羅さんが少し笑って「類くん」と教えてくれた。
何で、類くん。
まだ仕事も終わっていないと思っていたし、と、少し驚いてスマホを手に取る。連絡もしなかったから怒っているかもしれない。
ほんの少し身構えてスマホを耳に当てる。
「も、もしもし…。」
『連絡もしないで何してんの。繋がらないし。』
「ごめんなさい。」
案の定少し怒っているような声色に謝る事しか出来ない。
私が無言で何も言わず居ると少し声色を優しくして『心配した』と一言伝えてくれた。
「…これから帰りますね。」
『馬鹿じゃないの。こんな夜遅いのに。家で待ってて、迎えに行くから。』
「いや、大丈夫です!1人で帰れますし。」
『いいから言う事聞いて。これ以上心配させないで。』
そう言われてしまえばもう大人しく従うしかない。
こんな所で手間を掛けさせたかったわけじゃないのに。