君と始める最後の恋
「何があってそんな面倒な事になってるんですか、郁先輩。」


 お昼休み、色々と話すと志織ちゃんが呆れた顔をしてそう呟いた。

 自分でも面倒な事をしてしまっている自覚はかなりあるのだけど、もうこの考え過ぎてしまう性格も強がる性格も中々直りはしない。

 志織ちゃんが呆れる理由もよくわかる。

 類くんに負担を掛けたくないのにすべて空回りしてしまうの何でなのだろう。

 そう悩んでは溜息を吐いて、今日も食欲が無いから何も頼まずお茶だけを飲んでいる。


「…郁先輩は、言わないで負担を掛けない様にとか思ってるかもしれないですけど、そういう態度が逆に心配かけているの分かってますか。」

「え?」

「一ノ瀬さんも、上手く言わない郁先輩の事よくわかっているから余計に、気にして案の定何も言わないから解決しなくて、悪循環なんですよ。郁先輩が素直になれば全部解決しそうな気がするのに。」


 志織ちゃんの最もな意見には、いつも何も言葉が出ない。

 言われてもこの性格はきっと、直らないと思っている。
< 332 / 426 >

この作品をシェア

pagetop