君と始める最後の恋
 今日はまっすぐ帰っていつも通りの家事をこなす。

 夜ごはんの用意を済ませて、お風呂の準備を整えて明日の準備も済ませて、最近は早めに床に着いてしまう。

 最近朝早く出ているからか眠くなるのも早く、増々類くんとの時間は取れなくなった。

 ベッドに入ってからすぐに、眠りは深くなっていく。




𓂃𓈒𓂂𓏸





 頭を撫でられている感覚がしてうっすら目を開いていくと既に着替えも済ませた類くんが、帰ってきて頭を撫でてくれていた。


「る、いくん?」

「起こした?」


 そう言いながら頭を撫でる手を止めはしない。

 久し振りに触れられている気がして、こんなことだけでも嬉しくなる。


「もう寝るの。」

「寝ます、眠たいです。類くんは?」

「…君が寝るなら?」

「何ですかそれ。」


 そう言って2人で少し笑い合うと、類くんも私の隣に寝転がって優しく抱き寄せてくれる。

 こんな風にくっついて寝るのは久しぶりなのかもしれない。

 避けていたはずなのに類くんから来られるともう避けられなくなる。

 今日くらいは良いよね。このくらいなら負担にならない?


「次の土曜日は、休日出勤しないで家に居るから今後の事色々話そう。」

「え?」

「逃げんなよ。ちゃんと家に居て、避けないで。」


 逃げてないと言えなかったのは実際避けて何も話さない様にしてたから。

 類くんにも伝わる様に分かりやすく今は話したくないって拒絶をしてしまっていたと思う。だけど…、何も話せないって根本はきっと何も変わってない。

 私のこの面倒な性格も考えもきっとずっと変わらないんだろうな。


「…もし忙しそうなら仕事行ってくださいね。もう自分の中での事は色々片が付いたので、本当に大丈夫なんです。」

「何それ。俺から避けといて勝手にすっきりしたって事?」

「時間を置いた方が解決する事も沢山ありますから。」


 私の言葉に分かりやすく気に食わないと顔に書いていた。

 最初はこの人が何考えているか分からないって思っていたのにちゃんと見たらどこまでも分かりやすい。
< 335 / 426 >

この作品をシェア

pagetop