君と始める最後の恋
わだかまり
ある休日の昼間の事だった。
類くんとどこに旅行へ行こうか決めながらいろいろと調べていたら、ある1件の電話が掛かってくる。
『結婚式前に1度帰って来いって。』
「何で?」
18歳の妹、藍からそんな電話が掛かってきて、思わず固まってしまう。
今まで一度も帰って来いだなんて言われたことが無かった。
私も今まで帰らなくて、類くんと結婚すると決めてから一度だけ挨拶の為に実家には顔を出したくらいだ。
『お姉ちゃんが居なくて寂しいんじゃない?結婚はしてるけど、結婚式を本格的に挙げちゃったら桜庭家に余計寄りつかんくなるって。』
「結婚式挙げても今まで通りだよ。」
『てか私を使って帰って来いとかどうのやりとりするのめんどいから、お姉ちゃんの方で連絡取ってよ。私も受験で忙しいしさ。』
「…うん、ごめん。」
そんな会話をして電話を切ると私の様子を見ていた類くんが「何かあった?」とこちらを気にかけてくれる。
スマホの画面を落として「あ、いや…」と答えてからハッとする。
類くんが顔を顰めるのを見て自分の悪い癖が出ていた事を自覚した。
「実は、妹からなんですけど、母達が実家に1度帰って来いって言ってるみたいで。」
「そう、帰るの?」
「うーん…、考え中です。」
本当はあまり帰りたくない。
今まで我慢を強いられてきた事を恨んでるわけでもないと言うのは本当にそうなんだけど、出来れば寄り付きたくない。
母の「お姉ちゃんなんだから」とか「女の子なんだから」という口癖は変わっていない。
うちの家庭は分かりやすく昭和の考えが引き継がれている家庭だと思う。
男の人は動かさない、女が家事をする。みたいな考え。
だから類くんと一緒に暮らして驚く事ばかりだったのを覚えている。
その時に私がやりますって言っていたのに「2人で早く終わらせて2人でゆっくりした方が良いでしょ」と言って家事を分担してくれていたのが、私にはない考えで、凄く嬉しかった。
そう言うのとかも諸々あって近寄りたくはないのだ。
類くんとどこに旅行へ行こうか決めながらいろいろと調べていたら、ある1件の電話が掛かってくる。
『結婚式前に1度帰って来いって。』
「何で?」
18歳の妹、藍からそんな電話が掛かってきて、思わず固まってしまう。
今まで一度も帰って来いだなんて言われたことが無かった。
私も今まで帰らなくて、類くんと結婚すると決めてから一度だけ挨拶の為に実家には顔を出したくらいだ。
『お姉ちゃんが居なくて寂しいんじゃない?結婚はしてるけど、結婚式を本格的に挙げちゃったら桜庭家に余計寄りつかんくなるって。』
「結婚式挙げても今まで通りだよ。」
『てか私を使って帰って来いとかどうのやりとりするのめんどいから、お姉ちゃんの方で連絡取ってよ。私も受験で忙しいしさ。』
「…うん、ごめん。」
そんな会話をして電話を切ると私の様子を見ていた類くんが「何かあった?」とこちらを気にかけてくれる。
スマホの画面を落として「あ、いや…」と答えてからハッとする。
類くんが顔を顰めるのを見て自分の悪い癖が出ていた事を自覚した。
「実は、妹からなんですけど、母達が実家に1度帰って来いって言ってるみたいで。」
「そう、帰るの?」
「うーん…、考え中です。」
本当はあまり帰りたくない。
今まで我慢を強いられてきた事を恨んでるわけでもないと言うのは本当にそうなんだけど、出来れば寄り付きたくない。
母の「お姉ちゃんなんだから」とか「女の子なんだから」という口癖は変わっていない。
うちの家庭は分かりやすく昭和の考えが引き継がれている家庭だと思う。
男の人は動かさない、女が家事をする。みたいな考え。
だから類くんと一緒に暮らして驚く事ばかりだったのを覚えている。
その時に私がやりますって言っていたのに「2人で早く終わらせて2人でゆっくりした方が良いでしょ」と言って家事を分担してくれていたのが、私にはない考えで、凄く嬉しかった。
そう言うのとかも諸々あって近寄りたくはないのだ。