君と始める最後の恋
 なんてことがあった翌日、私は出来る限りのお洒落をして今駅前にいる。待ち合わせである人を待っているのだけれど、そのある人はまだこの場に現れていない。

 というのも昨日、あの後…。





𓂃𓈒𓂂𓏸





「何なの、同情してんの?毎度毎度。」


 少し苛ついた様子に怒りの篭った声で言いながら少し振り返って私の手首を強く掴んでくる。私を見下ろすその目はかなり冷たい。


「同情でこんな大胆な事出来ると思いますか。」


 そうまっすぐに見つめ返して言うと、先輩は何も言わず私の目をずっと見ている。その瞳に捕まると何もできなくなる。その場から動けなくなって逸らす事すら出来ない。

 一ノ瀬先輩は少し溜息を吐くと私の手首をそっと離した。


「やめときなよ。」

「え?」

「勘違いだから、君のその感情。近くに居た男がたまたまよく見えただけ。」


 今、私自分の気持ち否定されてる?勘違い?先輩に対して思うこの感情が勘違い?段々と否定された事に腹が立ってくる。
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