君と始める最後の恋

「本当にご迷惑おかけしました！」


　沙羅さんと充さんから紬を受け取りながら頭を下げる。


「仲直り出来たみたいで良かった。子育て中本当余裕なくなって少しの事でも上手く行かなくなると感情が暴走するのよくわかる。」


　沙羅さんがそう笑いながらフォローしてくださるのを聞いて、また心に沁み渡る。

　こんなに優しい旦那さんと義兄義姉が居て何を私は言っていたんだろうとまた反省に陥る。


「郁ちゃん、類くんも結構堪えてたみたいだから甘やかしてあげてね。」


　耳元で沙羅さんがそう言うのを聞いて顔を見ると、少しだけ微笑まれてそれ以上は何も聞けなくなる。

　どういう意味だったのか聞けないまま私達はそのまま帰宅した。