君と始める最後の恋
「今日は、俺が郁を独り占めにする日だから。母さんに頼み込んだ。」


─────独り占めにする日。


 まさかここまで計画されているなんて思わなくて、唖然としてしまう。

 それに明日は仕事だから早く帰ってなんて考えていたのに、きっと類くんの事だから有給も申請してきているのだろう。よくよく思い出せば、こういうこと、さりげなく出来る人だった…!


「それに紬が今欲しいの何か聞いた?」

「え?」

「弟か妹が欲しいって言ってた話。どう思う?」


 類くんからそんな話が出るなんて思っていなくて固まる。

 いつかはって考えていたけど、この手の話題を振る時は私からだと思っていた。


「…類くんは2人目欲しいんですか?」


 そう問い掛けた時にちょうど赤信号になって車が止まると、類くんと目が合う。

 この手の話にはまだまだ私の方が慣れなくて顔が熱くなる。


「欲しくなかったらこんな話しないんじゃない?」


 またそんな言い方。ずるい。

 類くんの言葉にきっと私は赤面していると思う。


「ず、ずる…。」

「ずるくないでしょ。」


 笑いながらそう言って再度車を走らせる類くんから顔を逸らす。

 いつか4人家族になってしまう日もそう遠くない…?


─────誰よりも幸せにするって決めてるから。


 そんな類くんがしてくれた約束を、類くん派今も守り続けてくれている。
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