君と始める最後の恋
 きつい言葉に少し落ち込みはしたが、この先輩口数かなり少ないけど言ってる事は正しい。

 いや…、社会入りたての新卒にもっと優しく教えてくれ!?とはもちろん思わなくは無いけど、この厳しい人に認められたら私”しごでき女(仕事が出来る女)”になれてしまうのでは?なんてむしろやる気が上がってしまう。

 言い方はかなりぶっきらぼうで冷たいけれど、絶対にこの人に認めさせたい。頑張ったじゃんの一言くらい言わせてやるからなと、なぜか私は暑苦しく燃えていた。



𓂃𓈒𓂂𓏸



 それからも毎日変わらず、ひとまずやっていた業務をこなす日々が続いた。一ノ瀬先輩は指導係の責任からか私を突き放す事無く仕事を与え続けてくれていた。


「桜庭さん、コーヒー…「はい、砂糖ミルク2個入りです。」…こわ。」


 時にはこんな風には怖がられ…。


「桜庭さん、3年前の資料を持ってきて欲しいんだけど…。」


 ドンッと重みのある3年分の資料を一ノ瀬先輩の机の上に置く。


「今一ノ瀬先輩がそこの資料作成で必要そうな箇所を過去3年分取り寄せておいてあります。」

「…ありがとう。」


 それからもひたすらに動き続け…。


「桜庭さーん、経理課にこの領収書の精算「行ってまいります、」……何なの?」


 先輩に言われた事は絶対だという並に動き続けた結果、私のキャパはついに超えた。


「(しんどい、しんどすぎる…。)」


 先回りする為にどれほど神経を張り巡らせて働かなければいけないのか。そもそも私の仕事スタイルこれで合ってるんだろうか。だなんて、入社して数週間なのにいろいろと悩んでしまう。
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