俺様パイロットは容赦なく愛を囁き偽り妻のすべてを奪う
 それから二週間ほどが経った頃、私たち夫婦と梓の休日が重なり三人で会うことになった。

 私としてはあらためて彼を梓に紹介したかったし、彼女としても下世話な話をしたことをきちんと謝罪したいと希望していたからだ。

 翔さんは、あのカフェでの会話をまったく気にしていない。むしろ私と知り合うきっかけになったと感謝していたくらだい。
 彼は謝罪なんて必要ないとしつつ、梓の気が済むのならと受け入れた。

 翔さんが意外と親しみやすい人だと気づいた梓は、それから冗談交じりでいい人はいないかと持ち掛けている。
 彼の方も『真由香の大事な友人の頼みなら、力になろう』と、本気とも冗談ともとれる返しをしていた。






< 105 / 110 >

この作品をシェア

pagetop