俺様パイロットは容赦なく愛を囁き偽り妻のすべてを奪う
「朝からすごい! 美味しそう」
弾んだ声をあげる。
肌寒い今朝、湯気の立つお味噌汁はそれだけでありがたかった。
「そう。よかった」
自分の分を持って戻ってきた翔さんが、向かいの席に座る。手を合わせて、一緒に食べ始めた。
「お休みの日なのに、早くからごめんなさい」
「いや、かまわない。普段から自炊をするようにしているし」
そうはいっても、私がいなければ彼はもっとゆっくり寝ていられたはず。
「やっぱり、生活のパターンが違うのに一緒に暮らすのは……」
「真由香」
翔さんにとっては迷惑じゃないかと尋ねかけたが、遮られてしまう。
「遠慮はいらない」
でも……と心の中で思いつつ、彼の気遣いをうれしく感じる。
「俺たちは、夫婦だ。少なくとも今は、そう装っている最中だろ?」
彼との距離があまりにも近いから、偽装の関係だと忘れそうになる。
同居生活はスタートしたばかりで、昨日は不安しかなかった。
それなのに、なんだかんだ言って今は心地よさも感じている。
こんなふうにふたりで食卓を囲む時間も悪くないなんて考えながら、正面に座る翔さんをチラッと見た。
もともと、彼は私の理想の声をしている。仕事に誠実なところも、人として好ましい。
完璧な人だと思っていたのに、髪を乾かすなんて些細なところで手を抜く。大人の男性には似つかわしい、そのギャップがかわいかったなんて本人には絶対に言えない。
恋愛から遠ざかっていたせいで、ちょっと親密な振る舞いをされただけで気持ちが傾きそうになる。
あまりにも単純な自分に内心でため息をつきつつ、翔さんに向けて笑みを浮かべた。
「美味しいです。翔さんのおかげで、今日も仕事をがんばれそう」
「それはよかった」
食事を終えて、彼に見送られる。
玄関を出て歩きだした私の胸もとに、翔さんとおそろいの指輪が揺れた。
弾んだ声をあげる。
肌寒い今朝、湯気の立つお味噌汁はそれだけでありがたかった。
「そう。よかった」
自分の分を持って戻ってきた翔さんが、向かいの席に座る。手を合わせて、一緒に食べ始めた。
「お休みの日なのに、早くからごめんなさい」
「いや、かまわない。普段から自炊をするようにしているし」
そうはいっても、私がいなければ彼はもっとゆっくり寝ていられたはず。
「やっぱり、生活のパターンが違うのに一緒に暮らすのは……」
「真由香」
翔さんにとっては迷惑じゃないかと尋ねかけたが、遮られてしまう。
「遠慮はいらない」
でも……と心の中で思いつつ、彼の気遣いをうれしく感じる。
「俺たちは、夫婦だ。少なくとも今は、そう装っている最中だろ?」
彼との距離があまりにも近いから、偽装の関係だと忘れそうになる。
同居生活はスタートしたばかりで、昨日は不安しかなかった。
それなのに、なんだかんだ言って今は心地よさも感じている。
こんなふうにふたりで食卓を囲む時間も悪くないなんて考えながら、正面に座る翔さんをチラッと見た。
もともと、彼は私の理想の声をしている。仕事に誠実なところも、人として好ましい。
完璧な人だと思っていたのに、髪を乾かすなんて些細なところで手を抜く。大人の男性には似つかわしい、そのギャップがかわいかったなんて本人には絶対に言えない。
恋愛から遠ざかっていたせいで、ちょっと親密な振る舞いをされただけで気持ちが傾きそうになる。
あまりにも単純な自分に内心でため息をつきつつ、翔さんに向けて笑みを浮かべた。
「美味しいです。翔さんのおかげで、今日も仕事をがんばれそう」
「それはよかった」
食事を終えて、彼に見送られる。
玄関を出て歩きだした私の胸もとに、翔さんとおそろいの指輪が揺れた。