俺様パイロットは容赦なく愛を囁き偽り妻のすべてを奪う
「あのなあ、真由香。好きな女が隣で無防備に寝ていて、手をださないでいられる男はそうそういないぞ」
「なっ」

 全身が熱くなる。
 私に恋愛感情がなかったからこその振る舞いと思いきや、真逆だった。

「真由香、そんな反応をするのはなぜ?」

 すっと真剣な顔をして私に迫ってくる。

 恋愛も結婚も考えていなかった私は、無線機を通して彼をはじめ好みの声を聞くだけで満足できていた。
 それなのに、こうして濃すぎる接点ができて翔さんを男性としてより意識するようになった。 

 もう声を聞くだけでは満たされない。そんなふうに自覚して、顔がますます熱くなる。頬は真っ赤に染まっているに違いない。

「少しも意識していない男の前でも、こんなかわいい顔を晒すのか」

 頬に手を添えられて、羞恥心で瞳が潤み始める。
 私の心を揺さぶるのはあなただけだと、首を左右に振った。

「か、翔さんだけ……だから」
「どうして俺だけ?」

 絶対察しているはずだろうに、言葉にするまで許してくれないらしい。

「そ、れは」

 覚悟を決めようと瞼をぐっと閉じると、私に触れていた翔さんの体が小さく反応したのが伝わってきた。
 その直後に、瞼に柔らかなものが触れる。

「なっ」
「はあ」

 私の驚きの声と、彼の重いため息が重なる。

「自分に好きだと告白した男の目の前で瞼を閉じるとか、隙だらけじゃないか」
「だ、だって、翔さんだから」

 か細い声でそう告げると、彼が息をのんだ。
 思わず口を滑らせて、しまったとうつむくがもう遅い。逃げるのは許さないと、翔さんが私の顎に手を添えて顔を上げさせた。
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