俺様パイロットは容赦なく愛を囁き偽り妻のすべてを奪う
 ベッドから降りた彼は、自身の服を脱ぎ捨てていく。
 それから再び私に覆いかぶさり、脚の間に体を滑り込ませた。

「いい?」

 問いかけられて、そろりと視線を向ける。
 私の大好きなその声は、相変わらず余裕であることをうかがわせる。

 でも、こちらを見つめ返す目はすっかり情欲に溢れていた。
 翔さんが私を求めてくれている。もう一方通行な想いではない。その事実に胸がいっぱいになり、涙をこらえてうなずいた。

 シーツを握りしめながら、彼を受け入れる。少しの違和感はあるが、それよりも早く来てほしいと心が急く。
 潤んだ瞳で見上げながら両腕を伸ばすと、眉間にしわを寄せた翔さんはぐっと力を込めて一気に私を貫いた。それから、体を倒して抱きしめてくれた。

「煽りすぎだ」

 非難めいた言葉に反して、口調は楽しげだ。

「真由香につよく求められているようで、加減ができなくなりそうだ」
「求めているから、翔さんのこと」

 これまで隠していた気持ちを、もう抑えられない。偽る必要がないのなら、私がどれほど翔さんを愛しているのかちゃんと伝えたい。

「だから」

 上半身を起こした翔さんが、少し怒った顔で私を見下ろす。
 視線が合ったことがうれしくて小さく微笑むと、彼は前髪をかき上げて私に口づけた。

「優しくできないから」

 それでもかまわないと私が返す前に、翔さんがぐっと腰を掴んだ。

 室内には、ふたりの肌がぶつかる音と荒い息遣いが響く。自分から求めたというのに、行き過ぎた快感に息も絶え絶えになる。

「ま、待って」
「待てない」

 体の位置を変えながら、緩急をつけて絶えず揺さぶられる。時間の感覚が、すっかり曖昧になっている。
 何度も絶頂に押し上げられて、もう体に力が入らない。
 こちらはもうとっくに限界を迎えているというのに、翔さんが放してくれる様子はない。

 薄らと瞼を開けて、彼を見つめた。いつも、どんなときも余裕でいる彼の、なにかに急き立てられた必死な表情に胸が絞めつけられる。
 翔さんにこんな顔をさせているのは私なのだと思うと、苦しさを忘れて胸が満たされて涙が滲む。
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