クールな総長は私だけにとびきり甘い

第二章

次の日の朝。

 ことはは、どこか落ち着かない気持ちで登校していた。

 蓮と別れたあの帰り道から、ずっと胸の奥がふわふわしている。

 あの子――ミルクは、夜のうちに母と一緒に動物病院に連れていった。骨に異常はなく、打撲だけで済んだらしい。安心した反面、どこか気が抜けてしまって、昨夜はなかなか寝つけなかった。

(……今日、学校で会うのかな)


 同じ制服。同じ学校。


 だけど、どの学年なのかも、どのクラスなのかも知らない。
< 12 / 68 >

この作品をシェア

pagetop