クールな総長は私だけにとびきり甘い
いや、たとえ同じクラスだったとしても――

「……おはよー、ことは!」

 教室のドアを開けると、友人の彩香が手を振って迎えてくれた。

 ことはは微笑んで席へ向かいながら、教室の中をさりげなく見回す。

 ……いない。

(そりゃそうか。まだ登校してないだけかも……)

 席についた瞬間、教室の空気がわずかにざわついた。

 振り返ると、教室の入り口に一人の男子が立っていた。
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