クールな総長は私だけにとびきり甘い
黒髪に鋭い目つき。

 何かを拒むように眉をひそめていて、教室の空気がピリッと張り詰める。

 ――蓮くんだった。

「え……嘘。あの人、ここのクラスなの?」

 彩香が小声で囁いた。ことはは答えられなかった。

 蓮は無言で教室を横切り、空いていた一番後ろの席に腰を下ろす。

 誰とも目を合わせず、誰も声をかけない。

 空気だけが妙に重く、ざわざわと落ち着かない。

(同じクラスだったんだ……)
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