クールな総長は私だけにとびきり甘い
書いた字は――整っていた。

 誰も何も言わない。でも、その字を見た瞬間、ことはは思った。

(……きれい)

 その一文字に、なぜか人柄がにじみ出ているように感じたのだ。

「ありがと、正解!」

 蓮はすぐに席に戻り、何事もなかったかのようにペンを手に取った。

 でも、ことはがそっと横目で見ると、彼の耳がほんの少しだけ赤くなっていた。
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