クールな総長は私だけにとびきり甘い

「……で、猫は?」

「え?」

「さっき、お前が心配してたっていう」

「あっ……!」

 ことはは慌てて目線を足元に向けた。いつの間にか、あの小さな猫の姿が消えていた。

「いない……! たしか、このへんに……」

 焦って辺りを見回すことはの様子を、蓮は無言で見つめていたが、不意に歩き出す。
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