クールな総長は私だけにとびきり甘い
「……こっちかもな。さっき、そっちの茂みが動いた」

「えっ、ほんと?」

 ことはがついていくと、蓮はしゃがみ込み、草の影をそっと覗き込んだ。

 そこに、小さな白い毛玉が身をすくめていた。怯えたように、蓮の指先を見つめている。

「いた……!」

 ことはの声に、猫がびくりと震えた。

「大丈夫、逃げない。ほら」
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